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整形外科 外科
リハビリテーション科

パンコースト腫瘍症候群 Pancoast's syndrome

 パンコースト腫瘍とは肺の上端付近(肺尖部)に癌が出来ることをいいます。ここに出来る癌は大きくなると頸部の方に伸展して腕神経叢を刺激し鎖骨上の痛み、上肢の激痛、時にホーナー症候群(頸部交感神経の機能不全による眼瞼下垂,縮瞳,無発汗)を起こします。見逃してはいけない病気ですが、頸椎症や肩の病気と誤診されることが多いとされています。

 診断は単純レントゲン撮影に加えてMRIやCTを行います。治療は原因疾患に応じた化学療法や放射線療法が行われます。痛みに対しては対症療法で消炎鎮痛剤などが用いられます。
 
 
環指・小指のしびれ Pancoast腫瘍

 1932年、パンコースト(Pancoast)が報告した肩・上肢の疼痛、ホーナー症候群、手の萎縮を主症状とする肺尖部腫瘍です。この病気は、肺の最上方、いわゆる肺尖部に出来た肺がんなどが、上方へ浸潤、伸展し、頚部から出てきた腕神経叢におよび神経を圧迫したり刺激することによって症状が出ます。

 解剖学的な位置関係よりC8やT1神経根症状が出ます。上腕内側や前腕尺側、環指・小指にしびれや疼痛を訴えることが多い。保存治療に抵抗し憎悪する場合やホーナー症候群を呈する場合はPancoast腫瘍を念頭に置きます。

 画像診断では頚椎単純撮影正面像で患側肺尖部に異常陰影を認めます。判然としない場合は、MRI,CTなどによる検索を行うようにします。

 *頚椎正面像がしっかり正面を向いていることが大切です。やや左右に振れると肺尖部濃度の左右差が病気がなくともでることがあります。