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整形外科 外科
リハビリテーション科

 
骨腫瘍に似る他科疾患

 骨に腫瘍性病変を引き起こす疾患は画像診断が必須です。

 ・脂質代謝異常症による骨黄色腫:顔面やアキレス腱など軟部に発生しやすいが、手足の小骨や長幹骨に起こることもあります。X線では、しばしば周囲に硬化像を有する境界明瞭な透過像を呈します。治療は血清脂質値を正常化させます。

 ・副甲状腺機能亢進症による骨融解性病変(Brown腫瘍):破骨細胞が局所的に増殖し骨髄が反応性に線維化、骨融解所見を認めます。治療は、殆どのケースで副甲状腺腫瘍の切除をします。骨代謝の正常化により数年で画像所見は正常化します病的骨折に注意。

 ・肺夫疾患に伴う肥大性骨関節症:四肢遠位部の骨・関節腫張と疼痛、長幹骨の骨膜下新生、ばち指を主症状とする腫瘍随伴症候群の一つ。骨シンチ。基礎疾患は原発性肺癌、転移性肺腫瘍が最も多い。

 ・白血病による骨病変:白血病の症状は発熱、貧血、血小板減少による出血が典型的。時に関節痛で発症することがあります。画像診断で多発性の骨髄病変を認め、確定診断は骨髄生検。


 参考文献:Orthopedics 整形外科外来における他科疾患を見逃さないコツ 3.2017