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整形外科 外科
リハビリテーション科

 
本日のコラム399 後根神経節炎

 脊髄の後根神経節に存在する感覚神経細胞体が選択的に傷害される病態で、末梢神経障害の一亜型、感覚性ニューロパチーとも呼ばれています。その多くが、傍腫瘍性神経症候群やシェーグレン症候群などの疾患から二次的に発症します。

 後根神経節炎の背景となり得る病態
 ・傍腫瘍性神経症候群
 ・自己免疫疾患 シェーグレン症候群、SLE、セリアック症候群、自己免疫性肝炎など
 ・感染 ひと免疫不全ウイルス、Epstein-Barrウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス
 ・薬剤性 ピリドキシン、白金製剤
 ・遺伝性 フリードリッヒ失調症

 神経根は前根と後根があります。後根には後根節があり、ここには偽単極性神経細胞体が存在し、深部感覚、表在感覚の神経線維が通っています。この細胞体は血液神経関門が脆弱な部位であり、神経細胞体は障害を受けやすい。細胞体の障害により、そこから伸びる末梢、中枢側の軸索が変性を起こし、様々な症状が出ます。

 後根神経節炎の主な症状:感覚性運動失調、腱反射の減弱・消失、などのさまざまな感覚障害が生じます。

 感覚障害は左右非対称で、多発性の髄節性分布をとり身体の遠位、近位いずれにもみられます。

 鑑別診断:ポリニューロパチーは障害部位に距離依存性がある
       :多発性単神経炎→髄節性では無く末梢神経単位で症状が起こる

 筋力低下は起こさないが、関節位置覚の障害や強い異常感覚・疼痛によりうまく力が入れにくいことがある

→神経内科での精査が必要です