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整形外科 外科
リハビリテーション科

中足骨骨折 metatarsal bone fracture

 中足骨骨折は足をぶつけたり蹴ったりして強い力がかかると起こります。また第5中足骨では足背を捻ることによって起こります。いずれも転位(ずれ)が大きい場合は手術を考慮します。

 第5中節骨骨折は基部は比較的治りやすいのですが、そこより少し遠位の骨折はJones骨折といい疲労骨折で生じ、保存的にはなかなか治りにくいの手術を要することが多いです。


*第5中足骨基部骨折とJones骨折

 基部というのは根元のことです。足には5本の中足骨があります。足の指と足関節をつなぐように細長い骨です。下駄やハイヒールなどで足の甲を内側に捻るとこの中足骨が根元で折れることがあります。よくあるのが、第5中足骨の根元です。この骨の最後部には短腓骨腱が付着しており、ねじれるときに大きな力がかかって骨折します。

 これとよく似た部位で起こるのがJones骨折です。第5中足骨基部骨折よりやや遠位(足先の方)で起こります。この二つの骨折はよく似ていますが、第5中足骨基部骨折はギブスなどの保存的治療でよく治りますが、疲労骨折であるJones骨折は保存的には治りにくく、最初から手術を選択することが多いです。

 専門書によっては、基部骨折とJones骨折を混同して記述されていることもあり注意を要します。
第3中足骨基部骨折
 
 第5中足骨基部骨折

 転位の大きなものは手術治療。小さいものは保存療法。
 保存療法はギプス固定、足底板(アウターウェッジ)、テーピングなどの方法がある。
 ギプス固定:受傷当初はシーネ固定。1週間後腫れが引いてきたらギプス固定。

 固定期間は、専門書でも記載に幅があり、1−3週間固定、3−4週間固定、当初から足底板というケースもある。また当初からテーピングで十分治るとする意見もあり、保存治療に明確なコンセスサスがあるとは言えない。一般的に体重の掛かる下肢の骨折は6週間程度免荷してその後徐々に荷重歩行を行うのがスタンダードであるが、荷重のかかり具合が分散している部位やそれほど掛からない部位は3−4週間の何らかの固定を行うということになる。あとはケースバイケースで主治医の判断に委ねられる。
 
 
本日のコラム206 中足骨骨折

 第1、第2、第3中足骨はそれぞれ第1、第2、第3楔状骨と、第4、第5中足骨は立方骨と関節を形成しています。遠位部はそれぞれが基節骨と中足趾節関節(MTP)を形成しています。骨幹部骨折は背側凸の変形を、頚部骨折では筋力により足底に転位しやすい。整復後も含めて転位のない場合はギプス固定をします。ギプス固定は4-6週間とします。整復後も転位のある場合は手術を考慮します。