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整形外科 外科
リハビリテーション科

化膿性脊椎炎 椎間板炎 pyogenic spondylitis , discitis

 化膿性脊椎炎や椎間板炎は細菌の感染により起こります。起炎菌は黄色ブドウ球菌であることが多くMRSAが増えています。また日和見感染が半数以上を占め大腸菌、緑膿菌、腸球菌なども増えてきています。

 症状は感染部位の背部痛、微熱が中心で早期にレントゲンを撮影した場合には所見が無いこともよくあります。(レントゲンでの変化は発症2-8週間後と言われています。)

 疑われる場合は血液検査やMRIによる精査をただちに行うようにします。鑑別診断としては脊椎カリエス、転移性脊椎腫瘍、椎体圧迫骨折が挙げられます。結核菌は椎体を主に破壊しますが一般細菌による椎間板炎では椎体は保たれています。転移性脊椎腫瘍は椎弓部またその後方に浸潤する傾向があります。

 化膿性脊椎炎の治療は原則、保存療法を行います。全身状態が許されるのなら血液培養に加えて生検を行い起炎菌に準じた抗生剤を投与します。最近では高圧酸素療法が積極的に行われるようになっています。

 手術適応は骨破壊が著しく不安定である、神経麻痺が生じている、保存療法で効果がない場合に選択します。感染部を力学的に安静をはかるために掻爬、ドレナージに加えて後方固定を行います。