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3ヶ月以上続く肩・腰・膝の慢性痛は神経障害性疼痛となっていることがあります


 腰や肩、膝の痛みは誰しも起こりますが、通常、1〜3週間以内に落ち着いてきます。(落ち着かない場合は、重大な疾患が隠れていることがありますのでご注意ください。)この痛みは局所にある侵害受容器によるものです。ところがこの痛みが続くと徐々に脳や末梢神経が影響を受け、痛みに対して過剰に反応するようになります。(神経障害性疼痛)

 これにより局所の侵害受容性の痛みが改善しても、過剰に反応する神経障害性の痛みが続くことになります。慢性化するにつれ侵害受容性疼痛から神経障害性疼痛に移行していきます。

 侵害受容性の痛みには消炎鎮痛剤(アセトアミノフェンやNSAIDs)が効きますが、神経障害性疼痛には効果がありません。従って痛み止めを服用してもあまり改善しない場合は、慢性化して侵害受容性の痛みから神経障害性の痛みに変わってきていると考えられます。

 神経障害性疼痛には、リリカやサインバルタといった下行疼痛抑制系を賦活する薬を使用します。ただし消炎鎮痛剤より使い方が難しいので、経験豊富な医療機関を受診するようにしてください。
 
  *NSAIDs:ボルタレン、ロキソニン、セレコックスなどのいわゆる痛み止めの薬

 痛みには、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛があり、これらが重なり合って症状を出していることもあります。