尾骨痛 Coccydynia
尾骨の痛みは尾骨の打撲や骨折で起こりますが、慢性の繰り返す刺激でも起こります。
尾骨骨折や尾骨の関節の障害、仙尾骨靱帯の損傷などが原因となります。
主な原因
- 外傷(打撲・骨折):尻もちをついたり、転倒したりすると尾骨が損傷し、痛みが長引くことがあります。
- 長時間の座位:硬い椅子に座り続けることで尾骨に圧力がかかり、炎症を引き起こすことがあります。
- 姿勢の問題:猫背や骨盤の歪みが尾骨に負担をかけ、慢性的な痛みにつながることがあります。
- 妊娠・産後:ホルモンの影響で骨盤が緩み、尾骨周辺の靭帯が伸びることで痛みが生じることがあります。
- 病気:尾骨滑液包炎や仙骨脊索腫などの疾患が原因となる場合もあります。
対処法
- 座り方の工夫:深く腰掛け、背筋を伸ばして座ることで尾骨への負担を軽減できます。
- クッションの使用:ドーナツ型のクッションを使うと、尾骨への圧力を減らせます。
- ストレッチと筋力強化:骨盤周りの筋肉をほぐし、柔軟性を高めることで痛みを軽減できます。
- 温熱療法:慢性的な痛みには入浴で温めるのが効果的です。
タクシードライバーのように長時間座位を保持する場合にも尾骨部痛が起こることがあります。
鑑別は直腸疾患、仙骨・尾骨腫瘍などがあります。診断にはレントゲン撮影に加えてCTやMRIが有効です。
治療は病状に応じて行います。
エビデンス:原因と診断(動的X線)
尾骨痛は外傷後や多因子性のことが多く、診断では座位と立位を比較した動的(ダイナミック)側面X線を撮影し、尾骨の後方亜脱臼や過可動性を評価することが有用とされています(Garg Bら. J Clin Orthop Trauma. 2021)[1]。
エビデンス:治療(保存療法から手術まで)
治療はまず理学療法や坐骨・尾骨への負担軽減などの保存療法・注射(ステロイド注射やganglion imparブロック)から始め、抵抗する症例に限って尾骨切除術(coccygectomy)を検討する段階的アプローチが有効と、システマティックレビューで報告されています(Andersen GØら. Global Spine J. 2022/Mazzoleni MGら. Ann Jt. 2025)[2][3]。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Garg B, Ahuja K. Coccydynia—A comprehensive review on etiology, radiological features and management options. J Clin Orthop Trauma. 2021;12(1):123-129. PMID: 33716437.
- Andersen GØ, Milosevic S, Jensen MM, Andersen MØ, Simony A, Rasmussen MM, Carreon L. Coccydynia—The Efficacy of Available Treatment Options: A Systematic Review. Global Spine J. 2022;12(7):1611-1623. PMID: 34927468.
- Mazzoleni MG, Maffulli N, Bardazzi T, Memminger M, Bertini FA, Migliorini F. Management of coccygodynia: talking points from a systematic review of recent clinical trials. Ann Jt. 2025;10:9. PMID: 39981432.