リスフラン靱帯損傷 Lisfranc ligament injury
リスフラン靱帯は足背の第一楔状骨と第2中足骨基部とをつないでおり、足の横アーチを形成するのに役立っています。
つま先立ちで回内を強制されるとリスフラン靱帯が損傷します。レントゲンで第1中足骨、第2中足骨の基部が離開します。2mm以上の離開は手術適応とすると成書にはありますが患者の事情により保存的に行う例もあります。
保存的治療は4週間ギプス固定で免荷します。その後、足底板(アーチサポート)を装着し徐々に荷重をかけるようにします。(3週間ギプス固定免荷後、3週間ヒール付きギプス固定という施設もあります。)
保存療法の流れ
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期間 |
対応 |
解説 |
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初期(4週間) |
ギプス固定+免荷 |
靱帯修復を促進、荷重を避ける |
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中期(3〜6週) |
足底板(アーチサポート)+徐々に荷重 |
横アーチ支持と再建促進 |
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施設によっては |
3週ギプス免荷 → 3週ヒール付きギプス |
段階的荷重導入の工夫 |
運動復帰には2-3ヶ月かかります。

断裂ではなく部分損傷なので離開はほとんどありません。
エビデンス:病態・診断
軽度(サブトル)なリスフラン靱帯損傷をCTで詳しく調べた研究では、離開がわずかでも損傷の広がり方は一様でなく、複数の損傷パターンがあることが示されており、単純X線だけでは見逃されやすいと報告されています(Haraguchi ら. Sci Rep. 2019)[1]。診断の遅れは治りを悪くするため、単純X線ではっきりしないときはCTやMRIで確認することがすすめられています(Grewal ら. Foot. 2020)[2]。
エビデンス:治療
ぐらつきの残る靱帯性の損傷では、ずれを金具で固定する手術(ORIF)よりも関節をあらかじめ固定する方法(一次関節固定術)のほうが、機能の回復がよく再手術も少ない傾向が報告されています(Grewal ら. Foot. 2020)[2]。手術どうしを比べたまとめでも、ORIFのほうが再手術や痛みの残りやすさが多い傾向が示されています(Magill ら. J Foot Ankle Surg. 2019)[3]。なお、ずれの小さい安定した損傷やご本人の事情に応じて、保存的に治療する場合もあります。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Haraguchi N, Ota K, Ozeki T, Nishizaka S. Anatomical Pathology of Subtle Lisfranc Injury. Sci Rep. 2019;9(1):14831. PMID: 31619712.
- Grewal US, Onubogu K, Southgate C, Dhinsa BS. Lisfranc injury: A review and simplified treatment algorithm. Foot (Edinb). 2020;45:101719. PMID: 33038662.
- Magill HHP, Hajibandeh S, Bennett J, Campbell N, Mehta J. Open Reduction and Internal Fixation Versus Primary Arthrodesis for the Treatment of Acute Lisfranc Injuries: A Systematic Review and Meta-analysis. J Foot Ankle Surg. 2019;58(2):328-332. PMID: 30850102.
参考:『足のスポーツ外傷・障害の診かた 明日の足診療III』 / 『足の保存療法 手術の前にすべきこと』