中高年アスリートの腰痛 Low back pain of the old and middle age athlete
中高年スポーツ愛好家の腰痛についてお話しします。文献によれば、男女ともに平均60歳で腰痛を訴える人が多くなります。
原因としては、使いすぎによる筋肉痛、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの疾病によることが多い。また痛みにより筋肉や腱の収縮、硬化が生じ関節可動域が低下し更に痛みを増加させるという悪循環も起こります。
腰~股関節~足関節は周辺筋肉と連動して動きますので筋肉や腱が萎縮して可動域が落ちると腰痛の原因となります。
したがって痛みが強くない限り、体に負担がかからない程度のストレッチを積極的に行う方が腰痛改善につながります。また骨盤の前傾は姿勢不良の原因にもなりますのでストレッチや骨盤の体操で改善を図るとよいでしょう。
*骨盤前傾とは、座位や立位で、お尻が出っ張る方向に移動していること。正常でも少し前傾していますがそれが更に前に倒れ込む感じとなります。体幹の筋肉や腹筋が弱るとなりやすく、椅子などに長時間座ることも前傾しやすいとされています。
エビデンス:腰痛の原因・病態
アスリートの原因のはっきりしない腰痛を精密に調べた研究では、その多くが椎間板由来の痛みや椎間関節(背骨のつなぎ目の関節)の変性、椎体終板の障害などによるものと報告されており、中高年では加齢に伴う変性がこれらの背景になりやすいと考えられます(Yamashita ら. J Med Invest. 2019)[1]。
エビデンス:対応・運動療法
慢性的な腰痛に対して、運動療法は痛みをやわらげるうえで有効である可能性が高いと報告されています。また高齢者の腰痛でも、体幹などの筋力を高める運動が痛みの緩和と身体機能の改善に役立つとされており、無理のない範囲での運動やストレッチの継続が勧められます(Hayden ら. Cochrane Database Syst Rev. 2021/Ishak ら. Scientifica. 2016)[2][3]。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Yamashita K, Sugiura K, Manabe H, Ishihama Y, Tezuka F, Takata Y, Sakai T, Maeda T, Sairyo K. Accurate diagnosis of low back pain in adult elite athletes. J Med Invest. 2019;66(3.4):252-257. PMID: 31656284.
- Hayden JA, Ellis J, Ogilvie R, Malmivaara A, van Tulder MW. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2021;9(9):CD009790. PMID: 34580864.
- Ishak NA, Zahari Z, Justine M. Effectiveness of Strengthening Exercises for the Elderly with Low Back Pain to Improve Symptoms and Functions: A Systematic Review. Scientifica (Cairo). 2016;2016:3230427. PMID: 27293970.