トップアスリートの腰痛 Low back pain of the top athlete
トップアスリートの腰痛は原因がはっきりしないものも多いのですが、よく診てみると腰の安定性や可動域が減弱していたり骨盤が前傾していたりします。
また右足ではしっかり支えられるが左足では骨盤が傾くといった左右差が見られることがあります。
このようなケースでは可動域の正常化、並びに筋力の左右差をなくす運動、ストレッチを行う必要があります。痛みを誘発する姿勢でトレーニングを行っていると痛みが強くなってパフォーマンスが著しく落ちます。
スポーツ種目ごとに固有の動作を安定して行えるように指導します。
エビデンス:原因・疫学
アスリートの腰痛は非常に頻度が高く、系統的レビューでは時点有病率が10~67%、生涯有病率は33~84%と報告されています。競技レベルが高く練習量が多い選手ほど腰痛を抱えやすく、原因がはっきりしない(非特異的な)ものも少なくありません(Farahbakhsh ら. J Back Musculoskelet Rehabil. 2018)[1]。
エビデンス:治療・競技復帰
アスリートの腰痛に対する治療の系統的レビューでは、運動療法(エクササイズ)が最もよく検討されており、痛みの軽減と機能の改善に役立つと報告されています。手術や注射に偏らず、運動を中心とした保存的なアプローチがまず基本とされています(Thornton ら. Br J Sports Med. 2021)[2]。腰椎分離症を生じた選手でも、装具・競技活動の調整・運動療法といった保存的治療により約92%が競技へ復帰でき、平均で約4.6か月での復帰が報告されています(Grazina ら. Phys Ther Sport. 2019)[3]。
エビデンス出典(全3件)を見る
- Farahbakhsh F, Rostami M, Noormohammadpour P, Mehraki Zade A, Hassanmirazaei B, Faghih Jouibari M, Kordi R, Kennedy DJ. Prevalence of low back pain among athletes: A systematic review. J Back Musculoskelet Rehabil. 2018;31(5):901-916. PMID: 29945342.
- Thornton JS, Caneiro JP, Hartvigsen J, Ardern CL, Vinther A, Wilkie K, Trease L, Ackerman KE, Dane K, McDonnell SJ, Mockler D, Gissane C, Wilson F. Treating low back pain in athletes: a systematic review with meta-analysis. Br J Sports Med. 2021;55(12):656-662. PMID: 33355180.
- Grazina R, Andrade R, Lima Santos F, Marinhas J, Pereira R, Bastos R, Espregueira-Mendes J. Return to play after conservative and surgical treatment in athletes with spondylolysis: A systematic review. Phys Ther Sport. 2019;37:34-43. PMID: 30826586.