胸鎖関節脱臼 Sternoclavicular Joint _dislocated
鎖骨内側端と胸骨で構成される関節です。交通事故やスポーツ外傷で起こることが多いです。直接当たった場合は後方へ脱臼します。肩などを介して力が及んだ場合はその方向によって前方脱臼と後方脱臼に分かれます。前方脱臼が圧倒的に多いです。
後方脱臼は胸鎖関節後方に重要な血管や臓器がありますので必ず整復をするようにします。整復は全身麻酔下で行います。(大量出血に備えて胸部外科と共同で行います)
発症から整復まで48時間以上経過した場合や成長軟骨損傷にて整復が困難となるとされています。
前方脱臼もまた整復を行います。捻挫や亜脱臼は保存的に固定して治療します。
捻挫は1週間以内の三角巾固定。
亜脱臼は徒手整復後6週間の鎖骨バンドと三角巾で整復位を保つ。もしくは整復せずに2-3週間固定後リハビリを開始します。
エビデンス:後方脱臼の緊急性と整復
胸鎖関節後方脱臼は、縦隔の大血管や気道など重要臓器に近接するため、外傷時のみならず整復操作時にも大量出血が起こりうることから、胸部外科(心臓血管外科)の支援体制のもとで整復・治療を行うことが推奨されます。(Ingoe HMA ら. Injury. 2023)[1]。
エビデンス:外科的安定化の治療成績
徒手整復が困難・不安定な例では観血的整復・固定が行われ、各種の安定化法で良好な成績が報告されていますが、腱移植による靱帯再建は再脱臼や合併症が最も少なかったとされています。(Kendal JK ら. JBJS Rev. 2018)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Ingoe HMA, Mohammed K, Malone AA, Beadle G, Sharpe T, Cockfield A, Lloyd R, Singh H, Colgan F. Traumatic posterior sternoclavicular joint dislocation - Current aspects of management. Injury. 2023;54(11):110983. PMID: 37634999.
- Kendal JK, Thomas K, Lo IKY, Bois AJ. Clinical Outcomes and Complications Following Surgical Management of Traumatic Posterior Sternoclavicular Joint Dislocations: A Systematic Review. JBJS Rev. 2018;6(11):e2. PMID: 30399119.
参考:『講座 スポーツ整形外科学2 上肢のスポーツ外傷・障害』 / 『骨折診療スタンダード 原著第4版』