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整形外科 外科 リハビリテーション科

Tietze症候群 Tietze Syndrome

要約

Tietze症候群は、上位の肋軟骨接合部に、限局した痛みと明らかな腫脹を生じる比較的まれな病態です。肋軟骨炎との最も重要な違いは、痛む部位に腫れを伴うことです。

1. 主な特徴

  • 第2〜3肋軟骨付近に生じることが多い
  • 通常は片側の一か所に限局する
  • 圧痛に加えて、目で見たり触れたりできる腫脹を伴う
  • 深呼吸、咳、体幹運動で痛みが増悪する
  • 通常は高熱や強い全身症状を伴わない

2. 検査

診断は、感染症、腫瘍、SAPHO症候群などを除外したうえで行います。典型例ではレントゲンが正常なことがあります。腫脹が強い、症状が長引く、発赤・発熱があるなど非典型的な場合は、超音波、CT、MRIを検討します。

3. 治療

活動量の調整と鎮痛薬を中心に治療します。難治例では局所注射が検討されます。短期間の経口ステロイドについては小規模な無作為化比較試験で短期的な疼痛・生活の質の改善が報告されていますが、標準治療として確立しているわけではありません。

エビデンス:Tietze症候群に対する短期経口ステロイド

Tietze症候群に対する短期間の経口コルチコステロイドについて、小規模な無作為化比較試験で疼痛・QOLの短期的改善が報告されていますが、標準治療として確立したものではありません(Elsayed HH ら. J Clin Pharm Ther. 2022)[1]

4. 肋軟骨炎との違い

肋軟骨炎も同じく胸骨と肋軟骨の接合部を中心とした痛みを生じますが、通常は明らかな腫脹を伴いません。Tietze症候群では、圧痛に加えて目で見たり触れたりできる限局した腫脹があることが鑑別点になります。

5. 早めの受診が必要な症状

次の症状がある場合は、一般的なTietze症候群と自分で判断せず、早めの受診が必要です。

  • 腫脹が強い、または急速に大きくなる
  • 発赤・発熱を伴う
  • 安静時痛や夜間痛が次第に悪化する
  • 原因不明の体重減少を伴う痛み

6. まとめ

Tietze症候群は、活動量の調整と鎮痛薬を中心とした保存的治療で経過をみることが多い病態です。ただし、腫脹を伴う胸肋部痛では、感染症、腫瘍、SAPHO症候群などとの鑑別が重要です。

エビデンス出典(全1件)を見る
  1. Elsayed HH, et al. The efficacy of oral corticosteroids for treatment of Tietze syndrome: a pragmatic randomized controlled trial. J Clin Pharm Ther. 2022;47(12):2279-2286. doi:10.1111/jcpt.13810. PMID: 36443282.