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整形外科 外科
リハビリテーション科

臼蓋形成不全  acetabular dysplasia

 臼蓋は股関節の骨盤側で大腿骨頭を受けるソケットのような形したくぼみのことです。このくぼみが浅い、小さい状態を臼蓋形成不全と言います。ただこれは臼蓋が正常より不十分な状況を表しているだけで、これだけで症状が出るわけではありません。

 乳幼児期の臼蓋形成不全は成長とともに改善されるとされており、これらの一部が改善せず成人になっても形成不全の状態にあると考えます。肥満や妊娠を経て股関節周辺の痛みが生じることがあります。レントゲン撮影で偶然見つかることもあります。

 分類:CE角とVCA角がそれぞれ5度未満は高度、5-15度までは中等度、15-20度が軽度。

 治療はまずは保存的に行います。過体重の場合は生活習慣の改善、ダイエットなどが有効です。また運動負荷が強すぎる場合は少しおとなしくするだけで改善することもあります。

 保存的治療で改善しない場合は、臼蓋形成手術などを行います。
 
 臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)

 生まれつき股関節の臼蓋が浅い形成異常です。乳児の時にレントゲンや超音波で診断される「画像上の診断名」で、臨床的に問題となる症状はないとされています。

 スポーツ負荷などで臼蓋の縁に力がかかり、また大腿骨頭の扁平化でインピンジメントが生じると関節唇損傷や軟骨の分離がおこり、股関節痛の原因となります。

 症状のある臼蓋形成不全には約87%に股関節唇損傷が合併していると言われています。この損傷が進行すると変形性股関節症となります。

 手術療法には、回転骨切り術、棚形成術、股関節鏡による関節唇デブリドマン、鏡視下棚形成術があります。

 *関節唇デブリドマン 関節唇修復、cam大腿骨骨切除、関節包修復を行います。CE角20°以上、VCA角20°以上、Shenton線破綻がないことが鏡視下手術の適応。

 参考:子供のスポーツ外来