母指CM関節症 arthrosis of CM joint of thumb
母指の一番付け根にある関節をCM関節と言います。中手骨と手根骨との関節で1-5指までいずれもあります。母指のCM関節はものをつまむ動作で一番負荷が掛かるために早く摩耗して変形してしまいます。多くは痛みとともに関節が変形して亜脱臼となっていきます。
病気が進めば手術することもありますが、多くの場合は装具でCM関節を固定すれば症状が緩和もしくは改善します。
家事や仕事でものをつまんだり持ち上げたりすると痛むと言って来院されることが多いです。腱鞘炎や手関節炎ではないかと思われる人もあります。いずれにせよ痛む場所で特定できます。
変形性母指CM関節症(変形性母指手根中手関節症)
CM関節は、中手骨と手根骨が成す関節のことです。母指のCM関節は他の部位と異なり、変形性関節症が起こりやすく、進行すると亜脱臼となります。
45歳以上の女性の3分の1にレントゲン上、変性がみられ、その50%に症状が出ているとされています。つまむ動作を繰り返すことにより関節に力が掛かり変形していくと言われています。
治療:保存治療では、アセトアミノフェン、NSAIDsなどに加えて、装具療法、関節内ステロイド注射がありす。関節内ヒアルロン酸注射は有効と海外で報告がありますが日本では保険適応外となっています。
装具は、2-3ヶ月、就寝中も含めてできるだけ持続させるようにします。強く締めつける必要はありません。これら保存治療に抵抗する場合は、手術を考慮します。
エビデンス:Eaton分類と関節内損傷
母指CM関節症の病期評価にはEaton(Eaton-Littler)分類が広く用いられますが、関節内の損傷の程度を必ずしも正確には反映しないとする報告もあります。(Carità E ら. Diagnostics (Basel). 2024)[1]。
エビデンス:装具+関節内注射の保存療法
母指CM関節症の保存療法では、装具療法に関節内(ステロイド)注射を併用すると症状の改善が早く、理学療法+装具では疼痛の寛解がより長く持続すると報告されています。(Rocchi L ら. Muscles Ligaments Tendons J. 2017)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Carità E, Donadelli A, Laterza M, Rossettini G, Villafañe JH, Perazzini PG. Assessing the Predictive Accuracy of the Eaton-Littler Classification in Thumb Carpometacarpal Osteoarthritis: A Comparative Analysis with the Outerbridge Classification in a Cohort of 51 Cases. Diagnostics (Basel). 2024;14(16):1703. PMID: 39202191.
- Rocchi L, Merolli A, Giordani L, Albensi C, Foti C. Trapeziometacarpal joint osteoarthritis: a prospective trial on two widespread conservative therapies. Muscles Ligaments Tendons J. 2017;7(4):603-610. PMID: 29721463.
参考:『整形外科最小侵襲手術ジャーナル』2021年5月号 / 『orthopaedics』2018年1月号 / 『関節外科』2022年8月号 / 『整形・災害外科 2020.4増刊号 半月板』 / 『関節外科』2020年9月号