先天性橈骨頭脱臼 congenital dislocation of the radial head
きわめてまれな病気です。
生まれつき橈骨の近位部(肘に近い方)で橈骨頭が脱臼している病態。肘の変形や可動域の減少で気づかれることが多い。成人以降に症状が出て発見されることもあります。
原因は分かっていません。出生時の外傷によるという説もありましたが、実際には出生時の外傷によるものはほとんどなく、骨端軟骨の損傷が起こることがあるとされています。
治療は生活に支障がある場合や変形が強い場合は手術を考慮します。手術は骨頭切除術や場合により再建術が行われます。
モンテジア骨折(尺骨の骨折+橈骨頭の脱臼)の脱臼見逃し例(陳旧性橈骨頭脱臼)でも同じように脱臼したままとなりますので、既往歴に注意します。
また先天性の場合、両側で起こったり兄弟で生じていた報告があります。
エビデンス:先天性と外傷性の鑑別
先天性橈骨頭脱臼は両側性であることが特徴的で、ドーム状の橈骨頭・低形成/欠損の小頭など外傷性にはみられない形態を呈することが多いとされ、外傷性との鑑別に役立つと報告されています。(Zampetakis K ら. Cureus. 2025)[1]。
エビデンス:骨切り術による整復・再建
先天性橈骨頭脱臼に対しては尺骨骨切り術などによる整復・再建で良好な成績が得られたとする報告があります(症例集積レベル)。(Miao W ら. Front Pediatr. 2026)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Zampetakis K, Chaniotakis C, Kapsetakis P, Tsioupros A, Stavrakakis IM. Congenital Versus Isolated Traumatic Radial Head Dislocation in Adults: A Diagnostic Dilemma With an Algorithmic Approach. Cureus. 2025;17(8):e90880. PMID: 40995269.
- Miao W, Li B, Li J, Zhang K, Zhang X. Efficacy of novel osteotomy techniques in the treatment of congenital radial head dislocation. Front Pediatr. 2026;14:1683592. PMID: 41716701.