中殿筋障害とは、お尻の外側にある中殿筋(太ももを横に上げるための筋肉)が原因で痛みが出る病気です。痛みはお尻の外側に現れ、太ももの外側や後ろへ広がることが多く、歩いたり座っていたりすると悪化します。腰痛と似た症状で、間欠性跛行(歩くと足が重くなり、休むと良くなる)を起こすこともあり、腰椎の病気と間違われやすいです。画像では見えず、診断はお尻の特定の場所を押したときの圧痛や、局所への注射で痛みが和らぐかどうかで判断します。筋力は落ちていないことも多く、慢性腰痛と関係して起こることもあります。保存療法で改善しない場合、筋膜を切って圧力を和らげる手術が選ばれます。
中殿筋障害
gluteus medius pain
慢性腰痛に伴って起こる中殿筋障害は中殿筋力が弱くなっている、一方、中殿筋のみの障害では筋力低下を伴わない。半数以上で下肢症状を伴い、体動、長時間の座位、歩行などで痛みが増強する。間欠性跛行を呈することもある。下肢症状は大腿側面や後側面位に放散することが多く、L5神経根症状と似ている。大殿筋と中殿筋の境界部で強い圧痛がみられるのが特徴で、大腿後面に沿って痛みが放散する。腰痛を起こす他の疾患と鑑別、併発に注意する。
治療は、消炎鎮痛剤、ストレッチ、中殿筋ブロックなどの保存療法を行う。改善しない場合は、中殿筋膜切除による中殿筋除圧術を行う。
参考:『脊椎脊髄ジャーナル2019.2 腰やお尻の痛み 非腰椎性腰殿部痛の診断と治療』