骨髄炎 osteomyelitis
骨髄炎には急性と慢性があります。また小児期に起こるものと外傷や手術後に起こるものとがあります。
一般的には急性期に始まって治らない場合は慢性に移行します。最初から慢性期で始まるようなものはまれにあります。
小児急性骨髄炎は、長幹骨に起こることが多く、痛みや熱発、不機嫌などが見られます。ほかの部位の感染症が先行して起こることもあります。
骨に達した細菌はそこで増殖し骨の壊死と膿を形成し内圧が上昇して骨膜下膿瘍を作ります。
初期にはレントゲン所見に乏しく、レントゲン上の骨の変化は7-10日経ってから見られます。MRIですと早期に変化が出てきますので疑われる場合はMRIを行います。
血液検査でも白血球の上昇、白血球分画の左方移動が起こりますが、これもまた早期には出ないことがありますので注意が必要です。
診断は穿刺して細菌を同定します。周辺膿瘍での採取が出来ない場合は骨皮質を貫いて戦します。
治療は抗生剤の投与を行います。24-48時間で症状の改善が見られない場合は、ドレナージ術を行います。
成人の急性骨髄炎は外傷や手術後に起こることが多いです。また糖尿病や免疫不全が基礎疾患としてあると発症しやすいです。
骨髄炎の兆候があれがただちに検査を行い、抗生剤の投与を行います。死腔がある場合はドレナージが必要です。感染部位の骨が不安定であると感染はなかなか治りません。創外固定や外固定などを考慮します。
エビデンス:骨髄炎の診断
骨髄炎(骨の感染症)は、画像・炎症反応・生検/培養に基づいて診断されると総説でまとめられています。(Schmitt SK. Infect Dis Clin North Am. 2017)[1]。
エビデンス:経口 vs 静注抗菌薬
骨・関節感染症に対する抗菌薬は、経過の一部を経口投与に切り替えても静注継続と同等の成績であったと無作為化比較試験(OVIVA)で報告されています。(Li HK ら. N Engl J Med. 2019)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Schmitt SK. Osteomyelitis. Infect Dis Clin North Am. 2017;31(2):325-338. PMID: 28483044.
- Li HK, Rombach I, Zambellas R, et al. Oral versus Intravenous Antibiotics for Bone and Joint Infection. N Engl J Med. 2019;380(5):425-436. PMID: 30699315.
参考:『臨床整形外科2018.5 外傷後・術後骨髄炎の治療』 / 『蜂窩織炎 徹底深堀り!』 / 『整形外科最小侵襲手術ジャーナル』2021年2月号 / 『AO骨折治療 第3版』 / 『Orthopaedics』2022年8月号