豆状三角骨関節症 pisotriqutral osteoarthrosis;PT関節症
豆状骨と三角骨がなす関節が外傷等により靱帯が緩み不安定になった状態です。転倒後に小指球部の痛みがでるとき、手をついて立ち上がるときに痛みがでます。
手根管症候群で手根管開放術を行うと横手根靱帯を切離するために、PT関節の不安定性が生じ、痛みを訴えるが術後ほぼ半年でほぼ消失すると報告されています。
豆状三角骨関節症 pisotriquetral joint osteoarthritis ; PTJ-OA
豆状三角骨関節症は手関節尺側部痛を主訴とする疾患の一つです。痛みがなくとも小指の屈筋腱断裂が突如起こることがあります。
(原因)
外傷
加齢変性
炎症性石灰沈着
画像所見無く痛みのみ
(診断)
豆状骨に一致した手関節掌側部痛。圧迫痛があり、手を使うことが困難になることがあります。
画像所見では、正面側面2方向では、豆状骨と他の手根骨と重なるために診断は困難です。斜位像にて豆状三角骨関節を側面像としてみることができます。
関節症性変化は、CT の方が横断像、矢状断像にて、しっかり捉えることができます。
*関節症による骨棘などで小指屈筋腱皮下断裂が起こることがあります。断裂前から痛みを訴えていたというケースが少なく、突然小指の屈曲が不能となって気づくことが多いです。手関節30°回外斜位像やCT横断像で、手根骨の尺側壁に突出する骨棘が確認されれば断裂原因として疑われます。
またピロリン酸カルシウム結晶が沈着して、断裂こともあります。
手術法は、手根管内に突出した骨棘を切除する方法と、豆状骨切除する方法があります。断裂した腱は小指深指屈筋を環指深指屈筋へ腱移行する方法と断裂腱に長掌筋腱を架橋する腱移植で治療する方法があります。
エビデンス:豆状三角骨関節のMR評価
豆状三角骨関節症は、豆状骨と三角骨の間の関節の変形性関節症で、尺側手関節掌側の痛みを来し、MRI・MR関節造影で評価されると報告されています。(Theumann NH ら. Radiology. 2002)[1]。
エビデンス:豆状骨切除
進行した豆状三角骨関節症に対しては、豆状骨切除術(pisiformectomy)が行われ、その中期成績が報告されています。(De Almeida YK ら. Hand Surg Rehabil. 2019)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Theumann NH, Pfirrmann CW, Chung CB, et al. Pisotriquetral joint: assessment with MR imaging and MR arthrography. Radiology. 2002;222(3):763-770. PMID: 11867798.
- De Almeida YK, Piessat C, Athlani L, Dap F, Dautel G. Pisiformectomy in advanced pisotriquetral joint arthritis: A retrospective study of 12 wrists with a mean follow-up of 7.5 years. Hand Surg Rehabil. 2019;38(3):165-168. PMID: 30904496.
参考:『手外科診療ハンドブック 改訂第3版』 / 『体験する手外科 第2巻』 / 『Orthopaedics 2022..4 女性によくみる手疾患』