(根性)坐骨神経痛 radicular sciatica
根性坐骨神経痛と坐骨神経痛は同じように坐骨神経領域の痛みを起こします。単に坐骨神経痛というと坐骨神経領域に痛みやしびれを起こす疾患すべてを含めて表しています。病名と言うより症状といった方が分かりやすいです。坐骨神経痛を起こす病気として梨状筋症候群との鑑別が必要です。
(神経)根というのは脊椎神経が本幹から分岐した部分を根部といいます。ここが何らかの原因(多くは椎間板ヘルニアや脊椎骨の変形による)で圧迫されると臀部から下肢後面~外側にかけて痛みとしびれが生じます。これを根性坐骨神経痛といいます。
根性坐骨神経痛にしても坐骨神経痛にしても本来この病状を起こす原因がありますので、これを明らかにして治療方針を決めなければなりません。
頻度は少ないですが、骨盤や脊椎への悪性腫瘍でも坐骨神経痛を起こすことがあるので注意が必要です。
診断は診察でどのレベルでの障害かを推定しレントゲン撮影やMRIを行います。治療は、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、腰椎すべり症などの退行変性によるものであれば、保存的治療を開始します。
別項で述べましたとおり、歩行障害や膀胱直腸障害、下肢筋の麻痺等の症状がある場合はその原因を治療する手術も考慮します。
保存的治療は症状に応じて、牽引治療、温熱治療、鎮痛剤、筋弛緩剤、安定剤などをひとりひとり病状にあわせて組み合わせます。
薬はあまり使いたくない人はリハビリ中心の治療を行うことも可能です。また西洋薬は嫌でも漢方薬なら大丈夫という方はそのように対応しています。
エビデンス:坐骨神経痛とは
坐骨神経痛は、下肢に放散する痛みで、多くが腰椎椎間板ヘルニアなどによる神経根の圧迫で生じ、その病態・診断・管理がNEJMの総説でまとめられています。(Ropper AH, Zafonte RD. N Engl J Med. 2015)[1]。
エビデンス:手術 vs 保存療法
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に対する手術と保存療法の成績が、システマティックレビューで比較されています(多くは保存療法で改善)。(Jacobs WC ら. Eur Spine J. 2011)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Ropper AH, Zafonte RD. Sciatica. N Engl J Med. 2015;372(13):1240-1248. PMID: 25806916.
- Jacobs WC, van Tulder M, Arts M, et al. Surgery versus conservative management of sciatica due to a lumbar herniated disc: a systematic review. Eur Spine J. 2011;20(4):513-522. PMID: 20949289.
参考:『長引く腰痛はこうして治せ!』 / 『リウマチ・膠原病診療 マスト&ベスト』 / 『脊椎脊髄ジャーナル 2023.12 目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法』