伏在神経麻痺(ハンター管症候群) saphenous nerve paralysis
大腿神経からそけい部を越えたところで内側に分岐して下腿内側に分布するのが伏在神経です。これは感覚枝で運動神経麻痺は起こらず、障害されると膝~下腿内側に痛みやしびれ感が出ます。
伏在神経障害は膝蓋下枝(膝内側の痛み)に多く下腿内側枝には少ない。膝蓋下枝は変形性関節症や半月板損傷との鑑別が難しい。
多くは大腿内にある内転筋管(ハンター管)で絞扼されて起こります。絞扼された部分をこんこんと軽くたたくと下腿内側に響く感覚が出ます。これをTinelサインといって神経が再生する先端部や絞扼されている部分で現れます。
ハンター管での圧迫が原因として多いのですが、まれに縫工筋や鵞足部の滑液包炎、外骨腫、外傷などでも起こります。
エビデンス:伏在神経の解剖
伏在神経(およびその膝蓋下枝)は、内転筋管(Hunter管)などで絞扼されうるため、その走行・分枝の解剖が手術・注射の際に重要と報告されています。(Patterson DC ら. Knee. 2019)[1]。
エビデンス:絞扼への手術
伏在神経の膝蓋下枝の絞扼性神経障害に対して、縫工筋の部分切離による除圧が行われた症例が報告されています。(Hosahalli G ら. Indian J Orthop. 2017)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Patterson DC, Chi D, Parsons BO, Cagle PJ Jr. No safe zone: The anatomy of the saphenous nerve and its posteromedial branches. Knee. 2019;26(3):660-665. PMID: 30902515.
- Hosahalli G, Sierakowski A, Venkatramani H, Sabapathy SR. Entrapment Neuropathy of the Infrapatellar Branch of the Saphenous Nerve: Treated by Partial Division of Sartorius. Indian J Orthop. 2017;51(4):474-476. PMID: 28790478.