肩関節唇損傷、SLAP障害 superior labrum anterior and posterior lesion
肩関節は上腕骨の骨頭を受ける肩甲骨の関節面が比較的小さく、安定させるために関節唇という線維軟骨で出来た堤があります。これにより関節が関節面から飛び出さないように制限しています。
この関節唇が投球動作などによりはがれると肩の痛みが出ます。特に投げる時に上腕を引いて前に移動する動作で痛みます。関節を休めると痛みが軽減しますが、何度も繰り返す場合は関節鏡を用いてはがれた関節唇を縫合します。
上腕二頭筋長頭筋腱の関節付着部の関節唇上部の損傷はSLAP障害という名前がついています。SLAP障害はまず保存的治療を行います。症状は投球時の疼痛が主です。徒手検査だけでは診断は難しい。肩甲帯後方の柔軟性が低下していることが多く、セルフストレッチなどを組み合わせます。
エビデンス:SLAP損傷の画像診断
SLAP損傷(上方関節唇の前後方向の損傷)は、MR関節造影などの画像とSnyder分類に基づいて評価されると総説でまとめられています。(Boutin RD, Marder RA. Open Orthop J. 2018)[1]。
エビデンス:修復 vs 腱固定
SLAP損傷に対する関節唇修復術と上腕二頭筋腱固定術の成績が、システマティックレビューで比較されています(高齢例では腱固定が選択されることが多い)。(Civan O ら. J Orthop Surg (Hong Kong). 2021)[2]。
エビデンス出典(全2件)を見る
- Boutin RD, Marder RA. MR Imaging of SLAP Lesions. Open Orthop J. 2018;12:314-323. PMID: 30197713.
- Civan O, Bilsel K, Kapicioglu M, Ozenci AM. Repair versus biceps tenodesis for the SLAP tears: A systematic review. J Orthop Surg (Hong Kong). 2021;29(1):23094990211004794. PMID: 33882738.
参考:『関節外科』2022年12月号