池田医院
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整形外科 外科 リハビリテーション

突き指を放置すると、指が曲がったまま戻らなくなることがある

骨折の有無にかかわらず、関節を固定すると多少動きにくくなります。関節が固まる原因は皮膚の拘縮、関節周辺の癒着、骨の変形などがありますのでそれぞれの原因に対し予防し対応する必要があります。骨の変形は骨折を出来るだけ元通りに治すことで予防できます。関節周辺の癒着による拘縮は、出来るだけ早期に可動域訓練を行うことによって予防できます。皮膚の損傷は拘縮が起こらないように外傷後より対応をする必要があります。形成外科へのコンサルトを怠らないことが大切です。

手指のPIP関節(第2関節)は特に拘縮しやすい

成人の場合、関節を4週間固定したままだと動きにくくなります。したがって関節の可動域訓練を可能であれば早期より行うようにします。特に手指関節のうち、第2関節(PIP関節)は拘縮が起こりやすく後遺障害が起こりやすいので細心の注意を払います。手指の場合、骨折が治るのに4週間、拘縮は3週間ぐらいから始まってきますので必ず可動域訓練を早期に開始して拘縮が起こらないように努めます。

なぜPIP関節はこれほど拘縮しやすいのか

PIP関節は、関節の掌側にある靭帯様の板(掌側板)や側副靭帯など、関節を支える軟部組織の占める割合が大きい関節です。外傷や炎症で関節周囲に腫れが生じると、これらの組織が互いに癒着しやすく、いったん拘縮が始まると完全な可動域を取り戻すのが難しいため、治療してから対応するより、拘縮そのものを未然に防ぐ方が結果的に良好な経過につながるとされています(Kamnerdnakta S, et al. Hand Clin. 2018;34(2):267-288)。

固定期間の目安についても複数の文献で一致した見解が示されており、単純な靭帯損傷であれば固定は3週間以内にとどめるべきとされる一方、骨折を伴う場合でも4週間程度の固定で永続的な可動域制限が残り得ることが指摘されています。近年の総説でも、この「3〜4週間」という期間がPIP関節拘縮を防ぐ上での目安として踏襲されています(Weir TB, et al. Instr Course Lect. 2024;73:325-346)。元の記事にある「骨折が治るのに4週間、拘縮は3週間ぐらいから始まる」という説明は、この考え方とよく一致しています。

そういった対応をきちんと行っても場合により可動域が落ちることもあります。そのときは根気よくリハビリを行い、改善しなければ状況により拘縮を剥離する手術を行います。誰しも手術をしたくはありませんから、外傷の初期対応をしっかりと行うようにします。

放置して指が曲がったままとなり慌てて来られる方もときにおられますが、ケガを侮らずに早めに受診をするようにしてください。

参考文献一覧を見る(全2件)
  1. Kamnerdnakta S, Huetteman HE, Chung KC. Complications of Proximal Interphalangeal Joint Injuries: Prevention and Treatment. Hand Clin. 2018;34(2):267-288.
  2. Weir TB, Abzug JM, Gaston RG, Osterman AL, Osterman MN. Proximal Interphalangeal Joint Fractures. Instr Course Lect. 2024;73:325-346.