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整形外科 外科 リハビリテーション科

バーナー症候群 Burner Syndrome

バーナー症候群 Burner Syndrome

バーナー症候群はアメフト、ラグビー、柔道、相撲などのコンタクトスポーツで起こります。

外傷により頸部を側方に捻った時に、神経根、神経叢が牽引されたりインピンジメントを起こして、頸部から上肢に電気が走り焼けつくような痛みやしびれ、時に脱力がでます。

エビデンス:発生機序と疫学(牽引・コンタクトスポーツ)

バーナー症候群(スティンガー)は、腕神経叢または頚神経根が牽引・圧迫されて生じる一過性の片側上肢の感覚運動障害と定義され、特に上位神経根(C5・C6)が侵されやすく、主因は直達外傷ではなく牽引であるとされます。アメリカンフットボール・ラグビー・レスリングなどのコンタクトスポーツで多く、病態・評価・急性期および長期の管理が総説にまとめられています(Ahearn BMら. J Am Acad Orthop Surg. 2019)[1]。コリジョンスポーツ選手の疫学レビューでは、約半数が競技人生で少なくとも1回スティンガーを経験し、頚椎の解剖学的な狭さが再発と相関すること、多くは一過性で数分〜数時間で回復することが報告されています(Bowles DRら. Curr Rev Musculoskelet Med. 2020)[2]


症状はほとんど一過性ですが、繰り返すと症状が数ヶ月単位で長引くことがあります。重症例になると筋力低下や知覚障害が一年以上残存します。鑑別は頚椎捻挫、、頚椎脱臼骨折、頚椎椎間板ヘルニアなどがないことをレントゲン、MRI、CTなどで確認します。

治療は頸部の安静を行います。痛みやしびれが継続する場合は消炎鎮痛剤や頚椎カラーなどを使います。急性期が過ぎれば温熱治療や頚椎牽引、頸部筋力強化などを行います。

 Clancyの重症度分類
 Grade1:受傷直後数分で知覚運動障害が改善、2週間以内に完全に症状が回復する
 Grade2:三角筋、上腕二頭筋、棘上筋、棘下筋の筋力低下が数週間~数ヶ月持続
 Grade3:筋力低下、知覚障害が一年以上残存する
 
バーナー症候群からのスポーツ復帰の目安は、症状の回復具合によって異なります。
一般的な基準として、以下の条件が満たされることが推奨されています。

痛みや感覚障害がないこと:首や腕の痛み、しびれが完全に消失している。
可動域の正常化:首や腕を痛みなく自由に動かせる。
筋力の回復:プレーシーズンの測定と比較して通常の強度があること。
深部腱反射が正常であること:神経障害があると減弱するため、正常であることが確認される。
神経ストレステストが陰性であること:腕神経叢の牽引テストでしびれや痛みが再現されない。

エビデンス:スポーツ復帰の基準

スポーツ復帰の基準について、頚椎を含む脊椎損傷後の復帰基準を整理した総説では、普遍的に合意されている原則として「疼痛がないこと・神経学的に完全に正常であること・筋力と可動域が完全であること」が挙げられています(ただし基準の多くは専門家の意見に基づく点に留意)(Huang Pら. Sports Health. 2016)[3]

エビデンス出典(全3件)を見る
  1. Ahearn BM, Starr HM, Seiler JG. Traumatic Brachial Plexopathy in Athletes: Current Concepts for Diagnosis and Management of Stingers. J Am Acad Orthop Surg. 2019;27(18):677-684. PMID: 30741724.
  2. Bowles DR, Canseco JA, Alexander TD, Schroeder GD, Hecht AC, Vaccaro AR. The Prevalence and Management of Stingers in College and Professional Collision Athletes. Curr Rev Musculoskelet Med. 2020;13(6):651-662. PMID: 32691363.
  3. Huang P, Anissipour A, McGee W, Lemak L. Return-to-Play Recommendations After Cervical, Thoracic, and Lumbar Spine Injuries: A Comprehensive Review. Sports Health. 2016;8(1):19-25. PMID: 26502187.

参考:『体幹のスポーツ外傷・障害 スホーツ整形外科学4』 / 『講座 スポーツ整形外科学2 上肢のスポーツ外傷・障害』 / 『脊椎エコーのすべて』