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整形外科 外科
リハビリテーション科

脛骨近位部骨折 Proximal tibia bone fracture

脛骨高原骨折
顆間隆起骨折
(ACL付着部裂離骨折付着部裂離骨折)

脛骨近位部は体重を支えるように関節面が平坦になっています。

この部分に大きな力が加わると骨折が起こります。
若者ではでは高エネルギー損傷で、骨粗しょう症がある高齢者の場合は低エネルギー損傷でも起こります。

原則、2mm以上(骨折の型、成書により適応の幅あり)ずれている場合は手術を考慮します。ほとんどずれが無い場合は、ギブス固定をします。

ACL付着部裂離骨折(顆間隆起骨折)

この骨折は前十字靭帯に引っ張られて脛骨付着部で裂離骨折を起こします。顆間隆起骨折となります。

子供はACLより骨の方が弱いので靱帯が切れるより骨折を起こすことが多い。10歳前後の小児に多く発症します。

可及的早期に骨片の正確な整復手術と術後早期のリハビリを行うために強固な固定が必要です。

脛骨の裂離骨折状況で分類されています。

Meyers-McKeever分類(脛骨粗面骨折)

分類

骨折形態

特徴

手術適応の目安

Type I

前方のみ裂離

骨片がわずかに前方に転位。関節面は保たれる

保存療法(ギプス固定)で良好な予後

Type II

後方の一部が残存

骨片が後方で部分的に連続し、関節面に段差あり

転位が大きければ手術(整復固定)

Type IIIA

完全に浮いている

骨片が完全に分離し、関節面から浮いている

原則手術(鋼線・スクリュー固定)

Type IIIB

めくれ上がっている

骨片が関節面から剥がれ、反転している

手術(整復困難例では骨片切除も検討)

Type IV

粉砕骨折

骨片が複数に分かれている

手術(整復困難な場合は骨片再建や切除)


→2024年では、Type1でもMRIにて合併症損傷を評価して手術または保存で行くかを決める方が良いとしている。

Type1は軽度屈曲位でギプスまたは装具固定。ただしACL損傷や半月板損傷を認める場合は手術を受けるケールが多い。

Type2でも伸展位で整復できるものは、保存療法の適応となる。ただし整復不良例は手術。


注:以前はType2まで保存適応であったがType2のなかに整復不良例が見られるのでType2以上となった。

手術は鏡視下にてスクリュー固定法もしくはpull-out法。骨端線を損傷しないような術式が選択されます。

 
後十字靭帯付着部裂離骨折

バイク、自転車等で転倒して膝の前の部分を強くぶつけると後十字靭帯が切れたり、付着部である脛骨の近位部後端が裂離骨折します。中高年の方によく見られます。

治療は骨片が大きくずれていない、また安定している場合は保存的に行います。

保存治療はギプス固定3週間、その後装具に切り替えます。骨片のずれが大きい場合は手術を考慮します。
膝の不安定性が残存する場合や骨癒合が得られない場合は、早期に手術を検討します
Hoffa骨折(大腿骨顆部冠状骨折)

交通事故など高エネルギー外傷で大腿骨後顆部が冠状面に沿って骨折を起こします。
まれな骨折ですが、関節内骨折のため保存的な治療では偽関節を起こしやすいと言われています。

通常、骨接合術を行います。保存的には行う場合は膝伸展位で長期間の固定が必要となり機能障害を残しやすいです。
 
Segond骨折

脛骨外側顆の裂離骨折でACL損傷時に合併します。
これがあれば逆にACL損傷があるとみなしてよいとされています。
 75〜100%の確率でACL損傷を認めるとされています。MRIで精査を要します。