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整形外科 外科
リハビリテーション科

骨折の固定(総論) fixation of fracture

骨折の固定にはギプスなど身体の外側に装着する外固定と手術的にプレートや鋼線で内側から固定する内固定があります。

定方法の分類

固定法

概要

使用器具

特徴

外固定

体外から骨折部を固定

ギプス、シーネ、装具

非侵襲的、腫脹対応が可能

内固定

手術により骨折部を内部から固定

プレート、鋼線、髄内釘

高い安定性、早期機能回復が可能


骨折は骨折部位がきちんと固定されているほどうまく治るとされており、ギブスなどの外固定に比べて手術をしてプレートなどで内固定をした方がより安定性が保てます。

治療方針の選択基準

判断要素

内容

整復の可否

用手整復で骨折端が整復可能か

転位の程度

転位が小さく、外固定で安定性が保てるか

固定の安定性

外固定でずれが生じる場合は内固定を検討

全身状態

手術適応があっても、全身状態が不良なら保存的治療を選択

骨折部位・荷重

荷重部位ではより強固な固定が必要(例:下肢骨折)


とは言え何でもかんでも手術をするわけではなく、まず必要に応じて用手整復を行いずれが大きくなく外固定で安定性を保てると想定できる場合は手術をせずにギブスやシーネで外固定をします。

いったん外固定をしてもすぐにずれてしまう場合や安定した固定が難しいと考えられる場合は手術で内固定を行います。

これらは骨折の状態、患者さんの全身状態を総合的に判断して治療法を選択します。手術適応があっても全身状態に問題があれば、手術をするリスクが高ければ保存的治療が選択されます。

骨折の治癒期間は大きな力がかからない場所は4週間、大きな力がかかるところは8週間ほど必要です。そこからスポーツ復帰する場合には更に時間がかかります。

骨折の治癒期間の目安

骨折部位

治癒期間

備考

非荷重部位

約4週間

上肢など

荷重部位

約8週間

下肢、脊椎など

スポーツ復帰

+数週間〜数ヶ月

骨癒合後のリハビリ期間を要する


外固定を行う場合、今後、強い腫れが予想される場合は全周性に巻くギブスではなく隙間のあるシーネ固定を行います。(ギブスを巻いてギブスカッターで切って除圧しておく方法もあります。)

いずれにせよ急性期は想像以上に腫れることがありますので血流障害、神経障害などに細心の注意が必要です。

急性期の対応と注意点

状況

対応

腫脹が予想される場合

シーネ固定(隙間を確保)
またはギプス除圧(ギプスカッターで切開)

血流・神経障害の予防

指先の循環・感覚を頻回に確認

腫脹が落ち着いた後

必要に応じてギプスに巻き替え
安定性が高ければシーネのままでも治癒可能


急性期の腫れを乗り切ったら必要に応じてしっかりしたギブス固定に巻き替えます。きわめて安定性の高い骨折ではシーネのままでも治ります。