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整形外科 外科
リハビリテーション科

離断性骨軟骨炎 osteochondritis dissecans

関節軟骨が下層の骨と一緒に壊死を起こす病気です。剪断力が働くことによって起こります。膝関節、肘関節に多いですが股関節、足関節にも起こります。

膝関節の離断性骨軟骨炎はスポーツをする若者に多く、膝の痛みが出現します。レントゲンやMIRIで診断します。早期ですと松葉杖などで免荷します。ドリリングといって痛んだ軟骨部をドリルで穴を開けて血量をよくして治す方法を行うこともあります。

進行すると壊死した軟骨が遊離することがあり、これが挟まるとロッキングが生じて強い痛みと動かせない状態になります。遊離軟骨や骨片は関節内で成長して大きくなることもあります。

分離すれば除去手術を行います。残された病変には膝の荷重のかからない部分の軟骨を採取して移植します。

肘関節の離断性骨軟骨炎は野球肘の外側型のことです。投げる動作を行うスポーツで上腕骨小頭と橈骨頭が衝突して上腕骨側の軟骨が下層の骨とともに損傷して起こります。

レントゲンや超音波断層撮影で診断します。レントゲンの状態で「透亮期」「分離期」「遊離期」に分けられます。最近では少年野球チームを中心に超音波検査でスクリーニング健診を行うところもあります。

離断性骨軟骨炎の好発部位一覧

部位

詳細

備考

膝関節
(大腿骨内側)

最も頻度が高い。特に荷重部の外側部分に好発

スポーツ歴のある若年者に多く、MRIで軟骨下骨の分離を確認

肘関節
(上腕骨小頭)

野球や体操など、腕を酷使する競技者に多い

投球障害として注目され、早期発見が重要

足関節
(距骨滑車部)

ジャンプや着地の多い競技で発症

外傷歴がある場合も多く、CTでの評価が有用

股関節
(大腿骨頭)

比較的稀だが、成長期に発症することがある

Perthes病との鑑別が必要

肩関節
(上腕骨頭)

非常に稀

他の疾患との鑑別が重要