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整形外科 外科
リハビリテーション科

橈骨頭骨折 radial head fracture 橈骨頚部骨折 radial neck fracture

転倒して肘を外反することによって発生することが多い。転位がほとんど無いものは保存的治療を行います。

通常、2-3週間のシーネ固定のあと、肘関節90度にしシリンダーキャストで前腕の回内回外が出来る状態で2-3週間装着します。

転位(2mm以上、TILT10度以上)のあるものは手術を考慮します。Mason-Morreyの分類に従って手術適応を決めることが一般的です。
Mason-Morreyの分類 
Type1 保存的治療(転位なし・関節面の骨折小)
Type2 2mm以上転位、10度以上TILTしている
手術的に整復 スクリュー固定。それ以下は保存治療
Type3 粉砕骨折・関節面不整
意見が分かれている
→整復する。切除して人工骨頭にする。
(安易な切除は避ける)
Type4 肘関節脱臼を伴うもの
(脱臼整復後のMason-Morrey分類に準じて治療を行う)

手術方法の選択肢

術式

適応例

スクリュー固定

Type IIの転位骨折

プレート固定

頚部骨折や不安定な骨片

人工橈骨頭置換術

Type IIIの粉砕骨折、骨接合困難例

橈骨頭切除術

高齢者で骨片壊死・疼痛遺残が強い場合(ただし長期成績不良)


■合併症と注意点
骨癒合不全(特にType III)
骨片壊死(橈骨頭完全骨折で有意に多い)
外傷性関節症、異所性骨化
インプラントのルースニング(人工骨頭)
■Essex-Lopresti letion

橈骨頭骨折に遠位橈尺骨関節脱臼、前腕骨間膜の損傷を伴ったもの。治療に難渋することが多い。


レントゲンでは橈骨頭の変形と骨折線を認めます。同部を超音波で見ると骨折線並びに骨皮質の段差を認めます。