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信頼とまごころの医療
からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科
リハビリテーション科

 
軟部腫瘍に似る他科疾患

 ・動脈瘤:動脈壁の菲薄化により血管が膨らむ状態。通常拍動性であるが、慢性期では内部に血腫が生じ拍動がはっきりしないこともあります。CT,MRI→血管外科。

 ・サルコイドーシス:肺、リンパ節、皮膚、眼、心筋、四肢の筋などに乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫ができる全身疾患。20-30代女性に好発。90%で肺門部リンパ節腫大。60%でACE上昇。半数以上で自然寛解。一方、進行例ではぶどう膜炎による視力障害、心筋傷害。→速やかに内科、眼科

 ・ねこひっかき病(リンパ節炎):人獣感染症。患者の90%は猫(特に12ヶ月齢以下の子猫)、その他犬、サルとの接触や咬傷、掻傷から起こる。15歳以下が半数。グラム陰性桿菌のバルトネラ・ヘンセラ菌による。受傷2週間ほどで所属リンパ節炎、まれに視神経網膜炎。腋窩、鼠径に好発。整形外科では、肘リンパ節腫大が多い。治療薬〜マクロライド系,テトラサイクリン系,ニューキノロン系抗菌薬。


 ・癌の軟部組織転移:発生頻度は低い。既往歴がなく、軟部に初発した場合は早期診断が困難。画像診断上、特徴に乏しい。

参考文献:Orthopedics 整形外科外来における他科疾患を見逃さないコツ 3.2017