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整形外科 外科
リハビリテーション科

下腿三頭筋肉離れ strain of triceps surae

 肉離れはどの筋肉でも起こりえます。若い人はハムストリングスに、中高年は下腿三頭筋に起こりやすいです。下腿三頭筋は、奥にヒラメ筋がありその上に腓腹筋内側頭、外側が乗っかった形でできています。

 急激にに力が掛かると発症します。多くは全速力で走ったりジャンプすると起こります。運動会シーズンは久しぶりに運動で中高年の方が下腿三頭筋の肉離れを起こします。

 肉離れにも程度によりグレードがあります。いずれも痛みを伴いますが、ほんの少し硬化しただけのもの。筋線維が一部断裂して出血を伴うもの。完全に断裂するもの。下腿三頭筋の場合、腓腹筋の内側頭に起こることが多いです。切れた筋繊維の量により重症度が決まります。

 肉離れは初期治療がとても大切です。受傷直後から開始すればするほど悪化を防ぐことができます。腫れと内出血をできるだけ少なくすることがポイントです。従って受傷当初はすぐに圧迫して心臓より高くして冷やします。こうすると内部の血腫形成が小さく済みますので治りやすいです。

 あまり長時間強く圧迫するとコンパートメント症候群という怖い病気を起こしますので圧迫は受傷15-20分はやや強めでも構いませんがそれ以降は軽めにします。激痛が伴ってくるようですとコンパートメント症候群の可能性がありますので最寄りの整形外科(整形外科対応の救急病院でも可)を直ちに訪れるようにしてください。場合によっては緊急手術が必要です。手遅れになると足の切断や壊死した筋肉を切除することになりかねません。

 通常の肉離れですと先ほどのRICE(局所の安静、アイシング、圧迫、挙上)をまず行います。入浴すると血液循環が良くなって出血して更に悪化することがあります。さっとシャワー程度とし患肢を暖めないようにしてください。

 程度の軽い肉離れでも筋繊維の修復には四週間かかります。ただしごく軽度の痛みしかない場合は痛みが改善次第に運動を再開することができます。内出血が伴う場合は四週間は掛かる思ってください。出血と腫れが強い場合は二ヶ月ほどかかります。