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整形外科 外科
リハビリテーション科

膝関節内の疾患 ~保存治療か手術か

まずは保存療法が第一選択となるもの

有痛性分裂膝蓋骨
運動量の制限や大腿四頭筋の柔軟性改善を中心とした保存療法が基本。疼痛が持続する場合は外側広筋解離術分裂骨片の摘出術が検討される。


隔壁障害(タナ障害/膝蓋上滑膜ひだ障害)
保存療法(消炎鎮痛薬、理学療法、関節内注射)を行い、改善が乏しい場合は関節鏡視下滑膜ひだ切除術が適応となる。


離断性骨軟骨炎(OCD)
年齢や病期により対応が異なる。未成熟骨端線が残る若年者では保存療法が奏功する可能性が高く、安静・免荷・装具療法が基本。**安定性のない病変や遊離体形成例では手術(ドリリング、骨釘固定、モザイク形成術など)**が必要。


早期変形性膝関節症(Kellgren-Lawrence grade 1–2)
保存療法(運動療法、装具療法、薬物療法、関節内注射)が中心。
近年ではPRP療法やAPS療法、末梢神経ラジオ波焼灼療法(2023年より保険適用)などの中間的治療選択肢も注目されている。


疼痛の発症早期から手術療法が推奨されるもの

可動域制限を伴う半月板損傷
ロッキングや関節可動域制限を伴う場合は関節鏡視下半月板部分切除術または縫合術が早期に検討される。


前十字靭帯(ACL)損傷
若年・活動性の高い患者では再建術が推奨される。保存療法では二次損傷(半月板損傷や軟骨損傷)のリスクが高いため、早期の手術介入が望ましい


骨軟骨片を伴う外傷性膝蓋骨脱臼
骨軟骨片の摘出または再建術(MPFL再建など)が必要。
一方、骨軟骨片を伴わない初回脱臼では、1–2週間の固定後にROM訓練を開始し、保存療法で経過観察する。