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池田医院・診療日記
信頼とまごころの医療 からだにやさしい医療をめざして

整形外科 外科 リハビリテーション科

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2017年9月 秋バテに注意しましょう。
 
1日(金) 本日のコラム247 秋バテに注意しましょう。

  今日からようやく9月になりました。随分暑い夏でしたね。夏は熱中症が起こり易いですが、やっと夏を乗り越えたと思ったら、急に食欲不振、疲労感が出てきて、何もする気が起こらないといった症状が出ることがよくあります。

 これは夏の暑さで体力が消耗したために、起こると思われます。せっかく夏を乗り切ったのに、涼しくなってきた頃にばててしまう。これらを予防するには、口当たりの良いサッパリしたものだけで無く、栄養素としてバランスのとれたものをしっかりと食べることが重要と考えます。
 

 2日(土) 本日のコラム248 漢方と副作用 1

 漢方薬は、西洋薬と比べて副作用が少ないとされていますが、全く副作用が無いと訳ではありません。漢方薬はさまざまな生薬が組み合わされています。この生薬の種類、量によって副作用が発現してくることがあります。

 例えば、代表的な漢方薬として葛根湯を例にすると、生薬は以下の通りになっています。

ツムラ葛根湯

 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有する。
日局カッコン   4.0g
日局タイソウ   3.0g
日局マオウ    3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ケイヒ    2.0g
日局シャクヤク  2.0g
日局ショウキョウ 2.0g

カッコン=葛根: クズ Pueraria lobata Ohwi (マメ科 Leguminosae)の周皮を除いた根を乾燥したもの
タイソウ=大棗:クロウメモドキ科ナツメの果実
マオウ=麻黄:アルカロイド:(l)-ephedrine、(d)-pseudoephedrin、ephedroxane、
カンゾウ=甘草:成分はトリテルペノイド系サポニンのグリチルリチン
ケイヒ=桂皮:クスノキ科トンキンニッケイやその他同属植物の樹皮を乾燥したもの
シャクヤク=芍薬:ボタン科シャクヤクの根を乾燥したもの
ショウキョウ=生姜:ショウガ科ショウガの根茎

 このように複数の生薬が組み合わされています。

 
 3日(日)
 
4日(月)本日のコラム249 漢方と副作用 2

 ■麻黄にはアルカロイドの成分としてエフェドリンが含まれていますから、その作用として心臓や血管に働き血圧が上がったり心拍数が上昇しどきどきしたり、また汗が出たりします。

 越婢加朮湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、小青竜湯、防風通聖散

 ■桂皮 発疹、かゆみ


 ■甘草 偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、だるさ)

 ■大黄 下痢 腹痛

 ■附子 血圧上昇、動悸、発汗、のぼせ
 
 
5日(火)本日のコラム250 足関節捻挫(外側靱帯損傷 )は結局、どうやって治療するのが正しいのか?

 整形外科では一番多く診る外傷なのですが、治療法についてコンセンサスが十分でない疾患も珍しいことと思います。平均的な意見としては以下の通り。

 外側靱帯損傷が疑われる場合は、受傷直後より5−14日間はスプリント固定をする。期間は、重症度や疼痛の具合による。その後、サポーターで固定を継続し、早期運動療法を行う。痛みが続く場合はMRIによる精査を行う。

 このように対応しても、痛みや不安定性が残るケースがかなりあることに留意する。

 トップアスリートの場合、完全断裂であれば手術を選択する方が予後が良いとされる。しかしながら元のパフォーマンスを得ることは難しいとされる。
 
 
6日(水) 本日のコラム251 非特性腰痛症は腰痛症のうち85%?

 今から30年ほど前にレントゲンの所見と臨床所見が合致する特異性腰痛症は15%であとは合致しない非特性腰痛症であるという論文がでて、その85%という数字が一人歩きしていると以前述べました。これに対する回答は将来に託すとしましたが、2016年の新しい論文では、非特性腰痛は22%、特性腰痛症は78%*としています。

*Suzuki H, Kanchiku T, Imajo Y, Yoshida Y, Nishida N, Taguchi T,.Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study.PLoS One. 2016 Aug 22;11(8):e0160454. doi: 10.1371/journal.pone.0160454. eCollection 2016.

 CTやMRIなどの画像診断が発達した現代では、診断率も向上していると考えます。それでも5人に1人は合致しないもの(非特異性腰痛)があるのも事実として捉えることが重要です。
 
 
7日(木) 本日のコラム252 腰痛のYellow flags

 非特性腰痛症のうち、痛みが慢性化して、仕事や日常生活に支障をきたすほどの難治性腰痛への移行を起こすリスク要因をyellow flagと呼び、その多くが心理社会的なものとされています。下記の「4.医師の不適切な診断や治療態度」は身に染みる思いです。

「4.医師の不適切な診断や治療態度」について各項目のコメント

・機能回復目指す指導はなく安静の指示・・・・原則として安静は急性期の数日以内。動けたら動く方が良い。激しい運動は不可。

・異なる診断名や説明を受けての混乱・・・・複数の医療機関を受診した場合や、日替わりアルバイトの病院で複数の医師に診察を受けた場合に起こりがちです。同じ病気、症状でもとらえ方の違いで診断名や説明が異なることはよくあります。腰部脊柱管狭窄症でも骨による狭窄もあれば、椎間板ヘルニアによる狭窄、靱帯の骨化などさまざまな要因がさまざまな割合で混在して症状を出します。当然、説明も似ているようで異なることがあります。また手術の可否も手術適応が統一したコンセンサスを得られておらず、医師によってバラツキがあるケースもよくあります。

・絶望感や恐怖をいだく診断名の告知・・・絶望感や恐怖感は個人差があり、こういったことが起こらないように出来るだけ丁寧に説明しています。

・受動的治療の継続と依存
・先進的な技術の治療への期待・・・先進的=よく治る訳でも無いのが難しいところです。
・過去の治療への不満・・・満足度は主観的なだけに、なかなか評価も厳しいところがあるように思います。
・この仕事は負担がかかるからやめたほうが良いとの助言・・・時と場合によります。

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腰痛のYellow flags

1.腰椎に対する適切な態度と信念(考え方)

・破局的思考、恐怖回避思考、行動が強い

2.不適切な行動

・腰痛に伴う安静、活動性の低下
・治療者、医療機器への依存
・不眠、喫煙

3.補償問題を抱えている

4.医師の不適切な診断や治療態度

・機能回復目指す指導はなく安静の指示
・異なる診断名や説明を受けての混乱
・絶望感や恐怖をいだく診断名の告知
・受動的治療の継続と依存
・先進的な技術の治療への期待
・過去の治療への不満
・この仕事は負担がかかるからやめたほうが良いとの助言

5.情緒的な問題
・不安、恐怖、抑うつ的、いらいらして怒りっぽい

6.家族の問題
・善意からではあるが過保護
・逆に無関心

7.仕事の問題
・腰に負担がかかる重労働
・仕事上のストレス、仕事への不満、やりがいのなさ、サポート不足、人間関係のストレス
・非協力的な職場環境
・不規則な勤務体制、過重労働
・職場復帰する際に、軽作業から始めたりするなどの段階的に勤務時間をふやすことが許されない、
・腰痛に対する会社の対応で嫌な思いをしたことがある
・会社側の無関心
 
 
8日(金) 本日のコラム253 骨粗鬆症性疼痛(骨粗鬆症による腰背部痛)

 骨粗鬆症が進行して胸腰椎椎体の圧迫骨折を起こすと背中の痛みが多かれ少なかれ出ることが多いのですが、骨折を伴わない骨粗鬆症の段階でも背中の痛みが慢性的に出ることがあります。

 これは、レントゲン等で見つからない微小骨折が発生している場合や破骨細胞による骨吸収が亢進して酸性環境となり、これが酸受容体の活性化をもたらし痛みを伝達する説があります。

 骨粗鬆患者へのアンケートを行った研究では、実に85%が腰背部痛を有するとしています。この中には、椎体骨折、脊柱変形、外傷などが含まれています。他の論文では、閉経後骨粗しょう症の10%程度は、骨粗鬆症性疼痛とする意見もあります。

 骨粗鬆症性疼痛には、第一に骨粗鬆症の治療を行います。また痛みに対しては、侵害受容性疼痛と神経傷害性疼痛に対応します。
 
 
9日(土)  本日のコラム254 原発性骨粗鬆症性椎体骨折の治療方針 1

  一般的な流れとして、まず保存治療を行い、改善せずに痛みが継続する場合は手術を考慮します。椎体骨折の診断方法として何らかの外傷後に胸・腰背部に痛みが出る場合はレントゲンや MRI を行います。はっきりした外傷ない場合でも、圧迫骨折が起こることがあります。原因が特定できないものも30%程あるとされています。

 圧迫骨折早期には、レントゲンでの診断も困難なことも多く、立位、臥位の正側面2方向を撮影して、椎体高の変化をみます。椎体高の変化が2%以下のこともありますので、注意が必要です。

 早期の診断には、MRI が最も有効です。発症直後より、 MRI による変化みられます。3ヶ月を経過すると信号の変化は通常見られなくなります。遷延性治癒、偽関節、破裂骨折になっている場合は、3ヶ月後も、 MRI で所見を認めます。
 
 10日(日)
 
11日(月)本日のコラム254  Vesperの呪い〜右心不全と腰部脊柱管狭窄症

 数カ所の整形外科を経て当院に来られました。これまでの説明では「何も無い」「分からない」と言われていたそうです。腰部脊柱管狭窄症があり、寝るとすぐに坐骨神経痛様症状が出て困っているとのこと。起きたらどうなりますかと尋ねると、すぐに痛みは消えるそうで・・・これは・・・「Vesperの呪い」じゃないかと思い、心臓は悪くないですかと聞いたところ、心拡大があったり無かったりとのことでした。内科の投薬には利尿剤もでており、慢性心不全を思わせました。座位から仰臥位になってもらうとすぐに痛みが出現しました。ほんの10秒ほどで痛みがでました。試しに背中に毛布をいれて半坐位をとると10秒ほどで痛みは消失し、本人は狐につままれたような顔つきになってました。

 おそらく症状が悪化したこの半年間で、右心不全も悪化しているのだと思います。心不全の有無を調べて貰うことにしました。

<Vesperの呪い〜右心不全と腰部脊柱管狭窄症>

 右心不全があると臥位で脊柱管の内圧が上がり、腰部脊柱管狭窄症の症状が悪化します。就寝後に疼痛のために寝られなくなります。これを「Vesperの呪い」と名付けられています。心不全の指標である脳性Na利尿ペプチド(BNP)が上昇します。右心不全の治療を行うことにより、症状は改善します。
 
 
12日(火)  本日のコラム255 大腿骨内顆壊死

 大腿骨の膝関節部分が壊死を起こす病気です。最初は膝の痛みで始まることが多いです。また初期にはレントゲンには変化が無く他の病気と間違われてしまうこともあります。MRIは早期に変化が出ますので、怪しいと思ったら精査する方が良いと思います。

 下の写真は、実際の患者さんのもので、許可を頂いて掲載しています。事の起こりは3ヶ月前に膝が痛くなり、近所の整形外科に来ましたが、全然良くならなかったそうです。思いあまって何人かに相談したら当院への受診を薦めてくれたようです。

 その整形外科での治療は、膝痛の定型的な対応でした。症状が改善していないのに、同じ治療を継続していた点と症状の悪化が膝周辺に波及して膝が屈曲拘縮を起こしてきたのに気がついてなかった点が少し残念かなと思った次第です。

 当院で行ったレントゲンでは、大腿骨内顆壊死がしっかりと写っています。『後医は名医』という格言通りとなってしまいました。

 今回の痛みは、拘縮による膝周辺の筋腱部の疼痛が強い印象があります。またその原因として関節水症があり、穿刺吸引を行いヒアルソン酸注入、ならびに膝の伸展ストレッチを指導しましたところ、引きずるように来院されていたのが、膝がかなり伸びて痛みもかなり改善して帰って頂けました。

 しばらくストレッチをしっかり行うことによって、痛みは更に改善すると考えています。それでも残る痛みは、壊死による症状の可能性もありますが当面は保存療法を行って頂く予定です。

 帰り際に,受付スタッフに「本当にここに来て良かった。」とお言葉を頂いたようで嬉しかったです。

 
 左膝の大腿骨内顆壊死

左膝屈曲位での超音波像 軟骨面が大きく変形しています

右膝、比較用 こちらは軟骨面はスムーズになっています(多少OA変化はあります)
 
 
13日(水) 本日のコラム256 「巨人の肩に立つ」

 先日、整形外科専門誌の巻頭に書いてあった話なのですが、「1人の医師が出来ることは大したことはないけれど、先人が積み上げた輝かしい業績を学んでそこから更に発展させていくことが重要」であり、そのことを「巨人の肩に立つ」と表現されていました。

 どのような分野でも先頭に立って頑張るのは大変なことです。私などはとても無理ですが、せめて巨人の肩に立って見える景色を眺めてみたいものです。

 
 
14日(木)本日のコラム257 原発性骨粗鬆症性椎体骨折の治療方針 2

 椎体骨折の評価と保存的治療

 椎体骨折が今どのような段階にあるのかを評価することは重要です。新鮮骨折、陳旧性骨折、遷延性骨癒合、偽関節など、骨折の状態を評価します。

 これらの評価の手法はまだ標準化されていません。

 1.画像評価法

 経時変化:立位2方向で椎体高の変化を見る
 荷重変化:仰臥位と立位で比較

 *経時変化なし、加重変化なし、仮骨が十分あるをもって骨癒合とします。
 *MRI:椎体自体の信号変化は骨癒合の判断基準とはしない。

 新規骨折:外傷の有無を問わず、4ヶ月以内を新鮮骨折、4ヶ月以降も骨癒合を得られないものを遷延性骨癒合、12ヶ月経っても骨癒合を得られない場合は偽関節と定義します。

 2.メカニカルな評価

 岸川らは、寝返り、寝起きなどのテスト運動での痛みを評価して適切な運動療法を実施する椎体骨折のメカニカルスケールを開発しています。(MB Orthop VOL30 No.8 2017)

 非荷重期、部分荷重期、全荷重期にわけています。いずれのステージでも運動強度は運動の最中は痛みが出るが、終了後10分以内に消失する程度としています。

 運動療法を行う理由は、その時期に合った適切な運動が骨構造の構築が促進されるという考えに基づいています。

 *椎体の仮骨は椎弓根に近い後壁側から生じ、徐々に前方に拡大します。


 15日(金)本日のコラム258 原発性骨粗鬆症性椎体骨折の治療方針 3

3.新鮮椎体骨折のプロトコール

 <非荷重期>

 仰臥位期:仰臥位で寝返り運動、四肢廃用予防運動、肺炎予防のための呼吸運動療法、塞栓予防のための弾性ストッキング

 <部分荷重期>

 仰臥位禁止、左右側臥位からの45°以上のギャッジアップ)。テスト運動として寝返り、仰臥位側屈、臀部持ち上げの3次元方向で行い、三日間これらのテストで痛みが無ければ、側臥位から前額面方向の動きを用いて徐々に加重します。ギャッジアップ位で前後屈、側屈、回旋のテストを行います。

 <全荷重期>

 冠状面動作で起坐。座位継続30分、立位、歩行、階段

*認知症患者、臥位安静が内科的病状の悪化を起こす可能性がある場合は、非荷重期間を設けない。

*遷延性骨癒合では、荷重期から開始します。

→注(池田) このスケールは入院加療を行った場合に基づいています。入院の可否は病院によって異なり、手術が多く多忙な病院では圧迫骨折で入院というケースは殆ど無く、手術が少なくて暇な?病院は全例入院ということもあるようです。実際には痛みが強くて動けない、家族の支援が受けられないなど,1人で家に置いておけない場合は入院させるといったところでしょう。
 
 16日(土)
 17日(日)
 18日(月)
 
19日(火) 電子カルテ

 電子カルテ練習中。ほとんど理解しました。ただしソフト的には挙動不審なところもあって、まだまだユーザーフレンドリーには遠い。開発部門にもうちょっと使い勝手がよくなるように要望をしました。音声入力は順調です。朝一番の滑舌が悪い時は、変換ミスが多くなるので、喉の調子も整えておく必要あります。
 
 
20日(水)
  本日のコラム259 パソコン壊れるの巻

 ただでさえ忙しい最中に、マイパソコンが壊れてしまいました。10年間よく働いてくれました。復旧は不能で、結局、買い換えることになりました。データの移行などに少し時間が掛かります。運悪く、金曜日の電子カルテ稼働とぶつかってしまいましたので、日記の更新はしばらくお休みになりそうです。
 
 21日(木) 
 
22日(金)
 本日のコラム260 電子カルテ導入初日

 初日から大トラブル発生。なんと電子カルテサーバから末端PCにデータが共有できず、4台のPCが孤立して入力が他のPCに反映せず、会計処理がストップする事態に・・・。原因は、販社の設定ミス。外部アクセスで、設定を修正して1時間半!後にようやく正常稼働。ほんとにお待たせして申し訳ありませんでした。夜は、特に問題なく、それなりにスムーズにこなすことが出来ました。

 #開始に備えて徹底的にトレーニングを積んだにもかかわらず、そういったレベル以前の問題で大転け、なんともしょっぱいスタートとなりました。
 
 23日(土)
 
24日(日)
 本日のコラム261 マイパソコン復旧しました

 連休中の日曜日、朝からPCの設定作業でようやく、ほぼ復旧しました。音声入力もこの通り復活しました。

 電子カルテは、金曜日の段階で正常可動しましたので、25日(月)以降の診療に問題は無いと思います。
 
 25日(月)
 26日(火)
 
27日(水) 本日のコラム262 原発性骨粗鬆症性椎体骨折の治療方針 4

 長管骨の骨折は膜性仮骨→内軟骨仮骨→石灰化→リモデリングといった経過を辿って治癒します。一方、椎体骨折の骨癒合は、このような過程をとらず、まず海綿骨において椎弓根部周囲の血流が豊富な部分から仮骨が形成され、石灰化→骨梁の形成が起こるとされています。

 次いで、骨皮質でも椎弓根部に近い骨膜から仮骨が形成され、骨形成が行われます。椎体骨折に伴う終板損傷は不安定性や痛みの原因となります。不安定性がある場合は隣接椎体との架橋が生じて椎体間を制動し、痛みなどの臨床症状が軽減します。
 
 28日(木)
 
29日(金)  本日のコラム263 原発性骨粗鬆症性椎体骨折の治療方針 5

 新鮮椎体圧迫骨折において、寝返り、寝起きで痛みが無くなれば後壁の治癒が行われたと判断して、仰臥位から半坐位にして椎体に荷重をかけるようにします。また遷延性骨癒合や偽関節例においても骨癒合を促進させるために仰臥位ではなく半坐位を徹底する方がよい。これに並行しテリパラチドなどで骨粗鬆症の治療を行います。

 後壁が崩れる例では入院加療で症状に応じて仰臥位→半坐位→起座と徹底して管理します。

 *入院してもただ寝かせて安静指示だけのところも多いように思います。そういった医療機関に入院加療する価値があるのかどうか難しいところです。
 
 30日(土)